老後崩壊(下流老人)は他人ごとではない

老後崩壊と下流老人

老後崩壊(下流老人)は他人ごとではない

”老後崩壊”と”下流老人”

今回も未読雑誌からのピックアップだ。週刊東洋経済(2015年8月29日号)の表紙は衝撃的だ。『下流老人 貧困、病気、孤独…老後転落に備えよ』ショッキングなタイトルが踊る。

週刊東洋経済

週刊東洋経済(8/29号)

30代〜50代の中年層には無視できない目次に、思わず手が止まる。

  • 『下流老人』著者 藤田孝典と老後貧困の現場を歩く
  • 急増する老後の下流転落
  • 本当の老後危機は団塊以降の世代から
  • 家計の見直しー老後にしくじるのはこのタイプ
  • 老後の生活費ー年金はいくら受け取れるのか
  • 定年後も働くー再就職、起業、今から備える再出発
  • 資産運用ー老後資金の正しい殖やし方
  • 病気に備えるー知っておきたい医療負担

などなど。

『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』が突きつけた目を背けたくなるような現実と未来

下流老人という言葉を頻繁にメディアで目にするようになったのは、2015年に入ってからだ。藤田孝典氏(NPO法人ほっとプラス代表理事)の著書『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』の出版による影響が大きい。

老後崩壊、老後転落、下流老人、そして一億総老後崩壊…なんとも暗くなるようなフレーズが、最近のメディアを賑わせている。老後崩壊、つまり下流老人への転落は、今や人ごとではない。このことから目を逸らさずに、どうやって備えていくか?このブログの重要なテーマとして継続的に取り上げていきたいと考えている。

第一弾として、週刊東洋経済(8/29号)の記事をピックアップしたい。

貯金1000万円でも70代前半で生活困窮に陥る可能性がある…

現役時代に年収が400万円あっても受給できる年金額は月20万円を下回る。それ以下の年収だと生活保護基準を割り込むケースも出てくる。”1億総老後崩壊”の時代がやってきてしまう

下流老人の推定人口は約600万人で、近い将来1000万人規模に膨れ上がる可能性がある。

60歳以上無職世帯(単身世帯を含む)の1ヶ月の生活費は平均20.7万円。それに対して年金をはじめとした実収入から社会保険料などを引いた可処分所得は14.8万円。つまり月6万円の赤字になっている。

サラリーマンのように厚生年金をもらっているケースだ。自営業者の場合は大半が国民年金だけなので、老後の可処分所得はさらに少なくなる。

前述したように生活費の赤字が月約6万円✕12ヶ月=年72万円とすれば、60歳で貯蓄を1000万円持っていたとしても、70代前半で底をつく。

貯金を1000万円持っていたとしても、70歳以上長生きをすると、スッカラカンになってしまうという現実。さらに病気をして入院や手術をしたり、夫婦どちらかが介護が必要になれば、70歳に届く前に生活破綻する。

つまり貯金1000万円と年金だけでは、まったく安泰ではないということだ。

退職金2000万円+貯金1000万円あっても下流老人の予備軍だ

40代、50代の間で「老後貧乏」予備軍の割合が増えている。

たとえばこんな人だ。定年時に退職金が2000万円入る見込みで、貯蓄も1000万円ほど確保できそう。合わせて3000万円用意できれば、老後資金としてはまずまずのレベルだろう。

しかし、60歳時点で住宅ローンが1500万円、子どもの大学進学時に組んだ教育ローンも200万円残っている。退職金で二つのローンを完済すると、残りは1300万円。

老後は貯蓄を取り崩す生活が前提となるので、この水準では心もとない。

退職時に3000万円(退職金2000万円+貯金1000万円)あっても、負債(ローン)が残っていれば、相殺することになる。

では、いったいいくらあれば安泰なのか?

老後下流転落を防げる貯蓄額は、3500万円…

週刊東洋経済の記事では、その額を「3500万円」としている。もちろん住宅ローンや学資ローンの残債なしで、だ。

65歳で退職した後、全く仕事をしないで年金受給のみで生活する場合、年間で75万円を貯金から取り崩す必要がある。つまり毎年75万円の赤字が生じていることになるのだ。

仮に90歳まで25年間生きる場合、75万円✕25年=1875万円 の貯金が必要だ。

さらに特別出費(自宅の修繕費用や車の買い替え等)で1000万円(!)程度を考えると、合計で2875万円の貯蓄が必要であると述べている。

バブル時代を謳歌した40代、50代は支出を抑えられない

バブル時代に贅沢生活を堪能した40代や50代は、老後も生活費がかさむ可能性もあある。

消費は美徳とばかりにバブル時代を謳歌した40,50代が老後に突入した時には、支出額はさらに増えるはずだ。将来、公的年金が減額される可能性も考えると、年間の赤字額は100万円を覚悟すべきかもしれない。

特別支出1000万円を含めると、この世代の老後資金は3500万円必要という計算になる。

3500万円…。

この金額を多くの国民(サラリーマン)が老後までに貯めこむことは不可能だろう。一部の高給取りサラリーマンだけだろう。

読めば読むほど、気分が暗くなる特集だ。

次回の記事で、老後崩壊を防ぐ方法について週刊東洋経済で解説されている内容を取り上げたい。

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